2009年 11月 22日
   ・・・ ルネッサンスの都に、中世を探して  その1 ・・・

      フィレンツェが、イタリアのみならず世界中に 
      ルネッサンスの都 として鳴り響いている事はご存知の通り!
      とはいえ、いまだあちこちに中世がしっかりと残り
      中世大好き人間も、うふうふと満足感に浸れます。
      こうして見つけた中世を、2回に分けてご覧頂きますが、
      今回は、ダヴァンツァーティ邸・palazzo Davanzati・     
      フィレンツェ中世邸宅博物館 とその近辺をどうぞ!


      ◆道順

       ダヴァンツァーティ邸
       ポルタ・ロッサ通り・Porta Rossa に面する大きな邸宅で、
       簡単に行けますし、

       国鉄駅から、南東方面ドゥオーモに行く道を来ると、
       このサンタ・マリーア・マッジョーレ教会・S.M.Maggiore
       右手の角にあり、ほら奥にドゥオーモが見えますね。
       ここを右折すると・・




      ◆ダヴァンツァーティ邸  1

       道の突き当たりに、どーんと見えるのがそうです。
       写真は日曜の朝ですが、まさに楽勝気分!

       後ほど地図も。




      ◆向かい側には  1

       ダヴァンツァーティ邸の前は広場で、
       その脇にもこんな中世の建物。

       フォレージの塔・Torre dei Foresi といい、       
       左側の塔に、右側少し低い建物がくっついた形。
       同じ造りですが、もしもの塔の崩壊に備え
       間隙が作られているそう。
       建物内に、当時の富の象徴である家の専用井戸と、
       地下には倉庫があるそう。
       
       フォレージ家というのは、13~14世紀に栄えた
       グエルファ・Gelfa・教皇派の一族で、16世紀に消滅。

       グエルファ・教皇派、ギベッリーノ・皇帝派については、
       次回ご紹介予定の ダンテの家 の際にご説明を。




      ◆向かい側には  2

       現在の広場の位置にあったいくつかの建物が
       19世紀に取り壊され、
       この壁面が良く見えるようになったのだとか。
       フィレンツェに残るいくつかの 中世の塔の家 でも
       よく保存されている物の一つだそう。




      ◆向かい側には  3

       1階部分にレストランかバールがあるようで、
       中世の壁面に取り付けられたこの灯り。
       デザインは確かに中世風なのですが、
       中の電球は省エネタイプの蛍光灯で、
       なんなく可笑しく、でも努力は評価です。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  2

       広場から見るダヴァンツァーティ邸。
       14世紀の住宅建築と言いますが、
       かくも健在、威容を誇ります!

       正面壁真ん中には・・




      ◆ダヴァンツァーティ邸  3 ガイドブック

       後足立ちのライオン・青地に金の紋章で、
       紋章学的には、軍指揮官・condottiero を現すそう。
       
       建物は14世紀半ばに裕福な商人のダヴィッツィ家・Davizzi により建設、
       後16世紀後半にダヴァンツァーティ家・Davanzati に

       買い取ったベルナルドは、裕福な銀行家であると共に文学者であり、
       彼がこの紋章をつけ、中世の塔の家の典型である最上階の凹凸の
       レース飾りを取り去り、ロッジャ式のテラスを作ったのだそう。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  4

       上の写真2でご覧のように、
       隣の建物との間に隙間がありますが、こんな感じ。

       広場のフォレージ家の塔にも、
       建物の並びに間隙があったといいますが、
       いかにも中世風の支えです。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  5

       これが、現在の邸宅博物館入り口。

       19世紀前半までダヴァンツァーティ家の住居として、
       内部調度も整えられ、大変美しかったと言いますが、
       一族の最後が自殺して後住居は区分けされ
       内部もあれこれ変更されたと。

       20世紀に入り骨董商が買い、調度を中世風に整え、
       私的な邸宅博物館として公開、大いに人気を得たそうですが、
       この骨董商自身がその後ニューヨークで、ここの家具を競売、
       アメリカでの新ルネッサンス様式調度の口火となったと。

       再度の変遷の後、戦後最終的に国が買取り
       他の博物館から調度を買い寄付を受けたりで、
       博物館として開館したものの修復の為に長い閉館があり、
       今年6月に再開されたばかりと言う、訪問チャンスでした。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  6

       上の入り口を入ると、ロビーの空間があり、
       アーチを潜るとこの中庭。

       吹き抜けの中庭の素晴らしさに驚き!
       この見上げる高さに、居住空間が広がります。
       これは、中庭奥から入り口側を。
       左側の壁沿いに、家専用の井戸

       実はこの邸宅には2度行きました。
       最初は、サンタ・トリニタ橋からシニョリーア広場に
       抜ける途中に通り、あ、ここだ!と見学。

       その時に、今からでも上階を見る予約が出来ます、と
       親切に教えて貰い、予約して出直したという訳。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  7

       これは、入り口側から中庭の奥に向かい。

       建物は真四角ではなく、正面側は広く、奥(南部分)が斜め。
       それが、部屋にも面白い不思議な印象を与えます。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  8

       写真はやはり禁止でしたが、
       写さずにはおれない素晴らしいもので・・!!

       中庭1階部分のフレスコ画。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  9

       中庭から上階に上がる階段
       奥に、地階への階段も見えます。

       本来の中庭は屋根がなく、雨も降り込んだでしょうが、
       現在は電動で開閉の覆いが。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  10

       1階中庭部分と2階が無料で見学でき、
       開館 毎日朝8:15 ~ 13:50
       閉館 第2 第4の日曜、 第1 第3 第5の月曜と
           元旦、5月1日、クリスマス

       2階への階段から。
       
       右側の壁の扉が開いている部分、
       あの壁の厚みの中に滑車があり、下の井戸に通じています。
       
       井戸の水がどの階でも、という贅沢。          
       中世の一般庶民は、公共の井戸を利用していたのを考えると、
       大変な富を持っていた事が分かりますね。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  11

       こんな感じに、中庭を囲み各部屋に続きますが、
       この部屋の外側の壁に、かなりの落書きが見えるのですね。
       はや、もう既に?! と思いましたら、
       これは由緒ある落書き、との説明。

       かって部屋が事務所として使われていた時、
       外で待っている人たちが、計算用紙代わりに、はたまた詩を書いたり
       の落書きで、消さずにあるのだそう。






      ◆ダヴァンツァーティ邸  12 サイトより

       2階の右側の大きな部屋。
       ここが1階の入り口ロビー上に当る部屋です。

       高い窓の鎧戸をご覧下さいね。
       幾つにも分かれ、その用途に従い開閉できる仕掛け。
       



      ◆ダヴァンツァーティ邸  13  ガイドブック

       2階のパッパガッリ(オウム)の広間・Sala dei Pappagalli.
       食事用の部屋だそうで、名前の由来は
       綴れ織りで部屋が覆われた様子のフレスコ画装飾の柄で、
       



      ◆ダヴァンツァーティ邸  14

       見えますか?
       四角い柄の白い縁取り部分のオウムが。

       各部屋に監視カメラがついているので、
       カメラに写らぬ位置から・・、はは、まるで泥棒猫!
       おまけに、監視の女性がちょいちょい回って来るのですぅ!!
       
       サイトで写真を探しましたが、皆さん私同様
       内緒で大急ぎとあって、殆どピンボケ!




      ◆ダヴァンツァーティ邸  15

       こちらは奥の素晴らしい寝室、
       孔雀の間・Sala dei Pavoni とも呼ばれ、
       上側の装飾、三角のアーチ部分に紋章と孔雀が。

       紋章は、縁組みをしたフィレンツェの各名家のもので
       80にも及ぶそう。

       部屋の右側はまだ広いのですが、
       テレビカメラがねぇ。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  16

       少しピン甘ですが、同じ部屋の天井部分を。
       格子天井の装飾が大変美しく、感じだけでも。

       全体に装飾のフレスコ画には赤色が多く
       大変豪奢で密な印象




      ◆ダヴァンツァーティ邸  17

       これは狭い通路状の部屋で、
       布を織るための道具類とか、
       素晴らしいレース類の展示とかあり、
       写真が撮れずに大変残念。

       11月にはガイドブックが、との話でした。
       ウッフィーツィ美術館のブックショップに
       関連本が1冊あると聞き、訊ねては見たものの
       修復関連の記事が多く、重たくお高く断念。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  18

       はい、例によりトイレ関連を!
       
       2階部分の部屋の片隅に。
       おマルを入れる位置がないのが・・、むむ!

       建物の床は、すべてこれに見える焼き煉瓦。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  19

       ピンボケご容赦。

       この薄い盥は、水浴用でしょうね。

       感心したのは、14世紀の建物というのに
       各部屋の隅を利用して、きちんと設えられていた事
       裕福な商人の邸宅とは言え、当時にあって大変な贅沢ですね?!
       あのヴェッキオ宮にもトイレなるものは、私には
       3つしか見つからなかったのですもの!
       http://italiashio.exblog.jp/10363547




      ◆ダヴァンツァーティ邸  20 サイトより

       これは、3階部分のトイレ兼お風呂。

       3階は予約しての見学で、10人程も一緒で
       写真がまったく撮れず心残りでしたぁ!!




      ◆ダヴァンツァーティ邸  21 ガイドブック

       3階にこの大きな台所
       家中に煙や湯気が回らぬよう、また火事を考慮してとの事。
 
       奥中ほどの扉の手前に、ハンドルのついた物が
       取り付けられていますが、穀物挽きだそう。
       粉挽きというと即水車を思いますが、
       そうですよね、家庭でも手軽に挽いたのでしょう。

       他にもふいごや天秤ばかり、そして糸の整形機とか
       手仕事の道具類が展示されており、
       当時の日常生活を髣髴とさせるこの台所を見ると、
       時の隔たりを一挙に越え、親近感を覚えます。




      ◆ダヴァンツァーティ邸  22 ガイドブック

       3階のいとも豪華なる寝室

       天井部分の愛の物語のフレスコ画に、
       唯一オリジナルが残っているのだそう。

       お話は中世フランスの伝承物語で・・

       


      ◆ダヴァンツァーティ邸  23 ガイドブック

       城主夫人が、夫の騎士が戦いに出かけた留守に
       逗留した若い騎士に横恋慕、迫りますが断られ、
       夫に逆恨みの嘘の告げ口を。

       若い騎士には別に愛する女性がおるものの内緒なので、
       名を出して自分の正当性を主張できず・・。

       部屋をぐるりと一回りして続く、愛の物語。
       最後は皆死ぬのですと!

       

       


      ◆地図をどうぞ

       ダヴァンツァーティ邸は、予約しての3階見学も
       2階までの一般公開も無料です

       4階部分はまだ修復が済んでおらず、非公開ですが、
       大変素晴らしい! との予告。
       はい、お待ちいたします。

       14世紀の中世の塔の家から、
       ルネッサンス期の邸宅建築への移行期に当る、
       とにかく素晴らしい、一見の価値ある博物館
       中心部にも近く、大いにお勧めです!

       ではこれより、ダヴァンツァーティ邸の南西域に


       

      ◆テルメ通り  1       

       ダヴァンツァーティ邸から東に向かい次の角、
       南に、こんな広場が。

       入って行くと何やら不思議な中世の空間
       建物前の標識で
       左が 元のサンタ・マリーア・ソプラ・ポルタ教会・S.M.sopra Porta
       右が カナッチ・ジャンドナーティ邸・Canacci-Giandonati
       突き当たりに見えるのが、グエルファ側(隊長)の館
       パラージョ・デイ(・カピターニ・ディ)・パルテ・グエルファ・
       Palagio dei Capitani di Parte Guelfa
       と知り、??!!
       
       一瞬にして、中世の真っ只中に迷い込んだ印象

       調べて分かったのは、
       ソプラ・ポルタ教会は11世紀に遡り、門の上教会という名は
       古い市壁の南門の傍らにあった由来からで、
       最初はこの教会でグエルフィ(教皇派)が会合を持ち
       13世紀に隣に集会所として館ができ、
       この周辺一帯が教皇派の中心であった様子です。

       カナッチ・ジャンドナーティ邸は、裕福な商人のカナッチ家が
       15世紀後半に建設、写真に見える手前側のジャンドナーティ邸と
       併合した事などなど。

       グエルファ側の館と、カナッチ・ジャンドナーティ邸の間に
       薄暗い狭い小路があり、そこを辿ります。




      ◆テルメ通り  2

       と、狭い小路の向こうに細い塔の家
       地面から最上階まで、フレームに入りません!

       ボンデルモンティの塔・Buondelmonti という13世紀の塔で、
       同名の一族は、この近辺にたくさんの塔を持っていたと。

       13世紀のフィレンツェに於ける他の塔と同様、上辺が真っ直ぐ
       1階部分中程までは切り石積みが見えますね。
       切石積みがフィレンツェで最初に見られる例の一つだそう。
       

       

      ◆テルメ通り  3

       ご覧の通り、ちゃんと1階部分はお店で、
       少人数のグループが、ガイドの説明を拝聴。

       ここが、テルメ通り・via delle Terme.




      ◆サンティ・アポストリ通り  1

       もう1本細い小路を南に抜けると、
       ボルゴ・サンティ・アポストリ通り・Borgo Santi Apostli.

       塔上部が光り、見難くご容赦ですが、
       この古い塔も、ボンデルモンティの塔・Buondelmonti
       で隣に建物が続き・・




      ◆サンティ・アポストリ通り  2

       アッチャイウォーリ邸・Acciaiuoli といい、
       隣接の塔も、ボンデルモンティの塔と呼ばれ、
       フィレンツェの大名門アッチャイウォーリ家の持ち物だったそう。

       アッチャイウォーリ家というのは、ナポリ王国の執事を
       務めていたそうで、塔は13世紀末の、館は14世紀と
       フィレンツェでも最も古い建物のうちに入るそう。

       現在ここはホテルになっていますから、
       皆さん、お泊り可能で~す。
   



      ◆サンティ・アポストリ通り  3

       この辺り一帯いまだ中世の雰囲気ですが、
       可愛い野菜果物店も。




      ◆アルノ河  1
  
       で道を辿ると、すぐにアルノ河沿いに。
       狭い薄暗い中世の小路を抜け、ホッと深呼吸。




      ◆アルノ河  2

       快晴の日曜、フィレンツェ滞在最後の日
       ヴェッキオ橋も撮り収めです。

     ◆*◆*◆

       ブログご訪問、有難うございます!

       フィレンツェについては一通りの知識のみで、
       今回も歩きながら見て感じ、驚き、戻って調べる
       という経過でしたが、
       中世好きには発見の地区でした。

       知るとまた知らない事が増え、でも大いに楽しんでいます
       上手くお伝えできていると良いのですが!

       ではまた次回、よろしくお願いいたしま~す!

           

# by italiashiho2 | 2009-11-22 02:11 | ・ フィレンツェ | Comments(0)


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