イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!

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2011年 08月 20日

   ・・・ ヴェネツィア、 朝のサン・マルコ広場 ・・・

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       6月初旬にヴェネツィアに行った時、
       帰宅予定日の夕方に大雨となり、少し遅くなった事も重なって、
       荷を持ちヴァポレットに乗り、そうして雨の高速を走るのが億劫となりまして、
       宿がOKだったのを幸いにもう一夜延泊したのでしたが、
       翌日の朝早く、サン・マルコ広場の西にある郵便局に。
       ええ、宿の払いを現金でと言われ、それでね。

       朝の8時頃でしたが、いつもは満員御礼のサン・マルコ広場も
       まだ閑散としていて、見慣れた広場の眺めとは違いました。
       前夜の大雨の様子の残る曇り空でしたので、
       モノクロの、いつもとは一味違う広場の様子をどうぞ!

       上はお馴染、
       スキアヴォーニ河岸から見るサン・ジョルジョ島



       若い女性が一人だけ歩いている、スキアヴォーニ河岸
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       向かいに見えるクレーンが本当に邪魔なのですけど、
       一体いつまで?!



       両側を青色のパネルで覆われている溜息橋も、
       モノクロだと余り目に・・、いや、やはり邪魔ですねぇ!
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       ゴンドラの黒い船体に写る水の反射、
       モノクロだと氷の様に見えません?
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       いつもの眺めながら・・
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       ここからは色のある写真で、
       ドゥカーレ宮の西側、アーチの続くポルティコの眺め
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       突き当たりに見える柄の壁はサン・マルコ聖堂ですが、
       いつもこの通路は観光客でいっぱい。
       こうして見通せるのは、本当に珍しい。



       ドゥカーレ宮の西側、小広場から
       ご覧の様にまだ観光客はまばらで、殆どが通勤の方々。
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       で、真ん中に見えるバルコニーですが、



       美しいテラスと窓があり、一番上に裁きの女神、
       その下に翼を持つライオン君と跪くドージェが見えますね。
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       アップすると、こんな様子。
       ヴェネツィア共和国のシンボル、聖マルコを現わす有翼のライオンと、
       ではこの跪くドージェは誰? と疑問がわき調べました。
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       サン・マルコ聖堂横にあるカルタ門の上にもある、
       同様の有翼のライオンと跪くドージェ像はよく見るのですが、
       こちらのドージェは65代のフランチェスコ・フォスカリ・
       Francesco Foscari 任期は1423~57 と今回序に調べ知りましたので!
       次回のチャンスに改めてご紹介しますね。
      
       で、小広場に向いたこのバルコニーは、いつも見るだけで
       疑問も湧かなかったのが、やっと、これ誰?!と。
       所がなかなか見つからず、見つからないと尚の事ムキになり、はは、
       かなりサイトやガイドブックを調べ、はい、やっと見つけました。
       どこのサイトかと言うと、これがなんとイタリア法務省ヴェネツィア区、
       と、・・こういう言い方が正しいのかどうか、すんまへん、無知丸出し。



       で、この方は77代目のドージェで、
       アンドレア・グリッティ・Andrea Gritti 1455生まれ、1523~38の任
       ティツィーノ描く所の肖像画が残っております。
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       ですがこれは、どうやら彼の没後1540年の作品で、
       こうして厳めしい老人の顔に描かれているのですが、
       Claudio Rendina著 I Dogi には大変愉快な人物像が
       ありましたので、ご紹介しますね。

       裕福な貴族の家系の生まれで、若くして父親が亡くなり、
       外交官の祖父の元で育ち、英国、スペイン、フランスを周りながら
       外交官技術も身に付け、何カ国語にも堪能に、つまり
       ラテン語、ギリシャ語、英語、フランス語、そしてトルコ語まで。
       こうして30歳にして祖父の元を離れ、コスタンティノープル
       現イスタンブールに赴き、穀類の取引を引き継ぎつつ、
       関税や現物納入の請負業をし、大変な富を持つように。

       トルコと母国ヴェネツィアとは常に戦争危機を孕んでいたものの
       彼は大変自由な生き方で、つまり何人かの現地の愛人を持ち、
       4人もの私生児が生まれていまして、そのうちの1人に
       ギリシャ人の母を持ち、トルコの大富豪の商人となり、
       最後にはスルタンを裏切りハンガリアと組み、
       刑死したアルヴィーゼ・Alvise がいます。
       
       本人のアンドレアはコスタンティノープルでの商売を通して得る
       情報を母国に流していた様ですが、
       遂にスパイ容疑で逮捕投獄、串刺しの刑になる可能性もあったのが、
       トルコ政府高官との友情繋がりのお陰、ヴェネツィアとの
       平和維持の為にもで放免され、数年後無事本国に戻って来ます。
       が、この投獄の期間、彼に惚れた何人かの女達が、一日中
       牢獄の門の前をうろつき赦免を訴えたと、ははは。

       こうして母国ヴェネツィアでトルコ間との平和維持にも働くように
       なりましたが、妻も長男も亡くしており、女性に慰めを求め
       尼僧との間に女児をもうける、というエピソードもあります、はい。

       スペイン、フランス、ドイツ神聖ローマ帝国、教皇領国を
       相手に戦って破れた18年間も続いたカンブライ同盟戦争
       これについては未だよく知らずこれくらいしか書けませんが、
       その戦争末期に活躍し、これがドージェにも選ばれる道となります。

       庶民にはその貴族的イメージが好かれていなかった様子で、
       ドージェ就任のお祝いとして400ドゥカーティもの金貨と銀貨
       広場の群衆に撒いたものの、あまり効果は無かったと!

       この時のドージェの選挙には他に3人候補者がいたのですが、
       その一人の名にジョルジョ・コルネール・Giorgio Corner
       名が見えます。
       これはキプロス王と結婚し、後にキプロスをヴェネツィアに
       差し出したカテリーナ・コルナーロ(コルネール)の
       弟のジョルジョと思いますが、まだ確認できておりません。

       彼の15年間に及ぶドージェ在任中にはトルコとの危機もあり、
       既に当時から起こっていた高潮問題などなど、
       政治的には余り目覚ましい働きはなかった様ですが、
       私財を投じて祖国ヴェネツィアを美しく飾るのに貢献
       パラッツォ・ドゥカーレのこの美しいバルコニーもその時の物で、
       実際晩年には並みの財産家程度にまで落ちていたそう。

       ですが、彼の家にはピエトロ・アルティーノを始め当時の文化人、
       そしてこれまた一流の娼婦が集まっていたそうで、
       ヴェネツィアの文化爛熟にも貢献した人物だった様子。

       死亡原因もこれまたイタリア的で、クリスマスのご馳走で、
       鰻の串焼きかインゲン豆スープの食べ過ぎであろうと!

       少し長くなりましたが、肖像画に似合わぬ面白いエピソードで、
       お楽しみいただけましたように!



       さて、朝のサン・マルコ広場の様子に戻りまして、
       こちらは広場の南側を占める新政庁の建物のポルティコ
       こんなにすっきりと奥まで見通せるこの通りを、
       ご覧になった事、皆さんありますぅ?!
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       右に茶の小テーブルが見える辺りにあるのが・・、



       はい、有名なカッフェ・フロリアーン
       朝最初に通った時はまだこうして戸締りがされておりましたが、
       戸締りの板に、全部番号が打たれているのが何か可笑しいですね。
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       1720年に創業のイタリアで一番古いカッフェで、
       創業者フロリアーノ・フランチェスコーニ・
       Floriano Francesconi の名前はヴェネツィア訛りでは
       フロリアン・Floriàn となりますので、
       カッフェ・フローリアンではなく、カッフェ・フロリアーン
       正しいと言います。

       こちらのPescecrudo さんの記事をどうぞ
       http://pescecrudo.blog122.fc2.com/blog-entry-226.html

       Pescecrudoさんが改めて教えて下さったフロリアーンのYoutubeをどうぞ!
       http://www.youtube.com/watch?v=pd23ZmBhCG0       


       こちらは戻りにちらと見えた内部。 
       開店準備で少し明け放たれており、流石の調度ですが、
       でもまだお茶に入った事はありません! 
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       我が町コネリアーノに本店を置くコーヒーメーカーの
       デルスット・Dersut はカッフェのチェーン店では一番の大手だそうで、
       昨年末からカフェ博物館をオープンしていて、
       こちらにご案内を。
       http://italiashio.exblog.jp/12635768

       コーヒーの歴史については、cucciolaさんがこちらに詳細を。     
       http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/archives/2757409.html



       郵便局での用を済ませ、戻りに見上げる政庁の建物
       現在、この角から右手にあるコッレール博物館外が修復中ですが、
       こういう汚れを見ると、いずれこちらの修復も始まる事でしょう。
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       まだかなりの曇り空で、人の姿も少ないサン・マルコ広場
       サン・マルコ聖堂の上左側も、時計塔の並びも、
       鐘楼の足元も、新政庁のはずれも、あっちにもこっちにも修復の覆い。
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       お天気がよいと煌めく金色の飾りも、少し寂しく・・、
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       さて、無事に宿の支払いも済ませ、
       戻りのヴァポレットに乗り、いよいよヴェネツィアを去ります!
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       ええ、我が家から汽車で1時間弱で来れるヴェネツィアですが、
       それもあって、逆になかなか泊まるチャンスがありません。



       で、こうして去るとなると、未練がましく、はは、
       サン・マルコ広場を通りすぎながら何枚か。
       少し薄日が差し始め、既に広場にはかなりの観光客。
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       ドガーナの突き当たりには、蛙を足からぶら下げた少年像が見え、
       動物愛護団体からは突き上げがないのかな?!
       金の球の上の風見の像も、いつもの通り。
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       でもね・・、

       こうして泣く泣く、はは、ヴェネツィアを去ったのでした。
       

       お世話様です、いつも有難うございます。
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by italiashiho2 | 2011-08-20 00:01 | ・ヴェネツィア Venezia | Comments(8)
Commented by atelierminstrel at 2011-08-20 10:02 x
初めて書かせて頂きます。素敵な写真に詳しい説明いつも楽しく見せて頂いております。いつかお便りをと思いつつ今日になりました。私もイタリア大好きで何度か訪れ、近々語学留学できたらいいなあと思っています。それで今イタリア語習っていますが.その先生がなんとスコミーゴの出身なんです。アンドレアさんというとても穏やかな男性です。アンドレアさんと出会う前から、ブログを通じスコミーゴのこと知っていたので不思議な縁にびっくりしました。これからも楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。

Commented by pescecrudo at 2011-08-20 10:08 x
shinkai さん、コメント有り難うございました。
私が参考にしたYouTube のサイトは、次のアドレスです。
http://www.youtube.com/watch?v=pd23ZmBhCG0
このアドレスをコピーして、http:// に貼り付けて見て下さい。
Commented by italiashiho2 at 2011-08-20 14:45
★atelierminsterelさま、初めまして、こんにちは! ブログご訪問、そしてご親切なコメント有難うございます。

そうですか、イタリア語の先生がスコミーゴの方?! なんと世界は狭いものですね。 この村は全部で1000人位の住人だそうですから、凄い確率ですね。
どうぞ、アンドレア先生によろしくお伝えくださいね。
そして、ますますイタリアがお好きになって下さるよう、ブログもまた見て頂けますよう、はは、こちらこそよろしくお願いいたします!

Commented by italiashiho2 at 2011-08-20 14:48
★pescecrudoさま、こんにちは! Youtube のお知らせ、有難うございます!

早速に貼り付け、覗きに行って参りました。 
まだあの中に入った事は無いので、次回にはやはりちゃんとお茶を、カフェ・デル・インぺラトーレを頂く事に致します!
Commented by Violetta at 2011-08-20 22:48 x
初めてコメントします。以前、ドニゼッティのオペラ『カテリーナ・コルナーロ』のあらすじがどこかに書いていないか調べていて、こちらのサイトを知りました(今回も名前が出ていますね)。だいぶ前に何度かイタリアを訪問し、ローマのような大きな町も、また電車から見える名も判らない小さな町も、みな魅力的でイタリアが大好きです。わけてもヴェネツィアは大好き。今日は美しい写真がたくさんあってご機嫌です。ところでイタリアで執筆されている塩野七生さんの著書にアルヴィーゼを書いたものがあるのはご存知ですか?庶子故に愛した女と正式に結ばれず、故に地位と名誉を求めてハンガリーに赴いて、というような筋を彼の親友を主人公に仕立てて書いてあります。タカラヅカの舞台に載ったこともあります(見てないですが)。この『緋色のヴェネツィア』はその後『銀色のフィレンツェ』『黄金のローマ』と連作になり、主人公がレパントの海戦を前にヴェネツィアに戻るところで終わります。もしご存知でしたらおせっかいになりますが、ぜひ一度読んでみてほしいです。
Commented by italiashiho2 at 2011-08-21 00:06
★Violettaさま、初めまして、こんにちは! ブログご訪問、コメント有難うございます。

塩野さんの著書、教えて頂き有難うございます。「緋色のヴェネツィア」のタイトルは知っておりますが読んでおりませんで、他の著作は知りませんでした。 今、サイトで筋を読んでみましたが、そうですね、父親のドージェの名前、出身状況が同じですね。 私は彼のアルヴィーゼという名前が好きなのと、大変に有名な人物、トルコ国内で3指の内に数えられるほどの富豪となり、自身の子供の為にも名誉、というか衣冠が欲しくハンガリーに近づいた、と読みましたので名前を書いたのでした。

日本にいた頃は塩野さんのファンでもあり、あれこれ読んでいましたが、今頃は資料的な物を読むのが楽しくなり、余り小説を読まなくなりました。が、お勧めの物、チャンスがありましたら読んでみたいと思います。 有難うございます。 今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by BB at 2012-09-30 15:54 x
カフェ・フロリアーンですね。(メモメモ)
多分 お茶をする事は無いでしょうが、誰かに教える時にね。
えらっそ==に「カフェ・フローリアン じゃ ないからね!」と。

ヴェニス、ヴェネツィア etc.
色々あるのですね。国が違うと呼び方も。

以前、海外のホテルで「レターペパー下さい。」
とお願いしたら、トイレットペーパーが来ました><

自宅から一時間弱で来られるヴェネツィア。
そりゃ、なかなかホテルには泊まりませんよね。
でも、朝の観光客の来る前に観光地を観る事が出来るのも、
なかなかいいものですよね。
Commented by italiashiho2 at 2012-09-30 21:56
★BBさん、今日はお家でゆっくりお休みですね?! ははは。
そうで~す、フロリアーンです。 TVニュースでもちゃんとフロリアーンと言っているのを聞きました。

レター・ペーパーと言ったら、トイレット・ペーパー?! がはは。
でもね、こちらで見る長い巻きのトイレット・パーパーの宣伝に、ダンテが神曲を書き、モーツァルトが作曲の譜を書く、というのがあって、いつまでどれだけ書いているの?! と奥方、母親が文句を言うのに「一巻きにもならない」というのがありますよ。 長~いお手紙を書けたのに!! がはは。

そうなのですよ、近いと逆に泊まるチャンスがないのですけど、泊まるととてもゆっくりあの街を楽しめて良いのですよ。


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