イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!

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2009年 05月 15日

   ・・・ バーニョ・ヴィニョーニ ・ ローマ期からの温泉保養地 ・・・

      今日は、バーニョ・ヴィニョーニ・Bagno Vignoni のご案内を。
      オルチャの谷の北の交通要所である、サン クイリコ・ドルチャ
      コムーネに含まれ、南に6K程の距離にあります。
      古くはエトルスク、ローマ期からの温泉で有名な土地ですが、
      メディチ家が設備を整え、ご愛用したのでも有名です。

       町の駐車場から、オルチャの谷の眺めを
       麦刈りの風景が広がります。
       この辺りは、おなじオルチャの谷でも、
       広々と、緩やかに波打ちます。
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       幹線道路はもちろん舗装されているのですが、
       少し入り込むと地道が広がるシエナの広さ。
       私の車もかなりの埃まみれでしたが、
       駐車場の中に、まさに真っ白になった車。

       ワイパーの届く範囲だけ、窓の視界の開いた車を見かけ、
       よほど、写真を撮ろうとうずうずしましたが、
       すぐ脇に持ち主がおられたので・・、む、残念。



       広い駐車場が幾つかあり、何やら開けた感じで、
       あちこちにホテルが見えるのですが、
       さて、どちらに向かえば良いの?
       
       標識も見つからず、何となく人の流れるほうに歩き、
       それで正解。
       こんな道の奥に、温泉池!があります。
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       毎回のブログにアップする写真は
       30枚を超えないようにと、いつも最大努力ですが、
       今回は全部で25枚。

       それも、プールみたいな温泉池を、しつこく、
       これでもか!、とご覧頂く事にして、25枚!
       まぁ、つまり見所はこれだけ! みたいな・・、ははは。

       という事で、まず1枚目は、
       大浴槽の南側から、左手、西側を
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       これは、大浴槽の奥、北側
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       左角に、小さな囲いが突出しているのが
       お分かりでしょうか?

       あそこは、薬草園のようで、
       アップしますと・・、


       これがそうですが、
       実は、薬草園を写したのではなく、
       手前側に、ポコポコ湧き出している温泉
       撮ったのでした。
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       地下千メートル以上の深さから、52度の温泉
       湧き出しているのだそうで、
       それを集めて、ここに湧き出すように設備、
       それで、このプールみたいな大浴槽なのだそう。



       という事で、1枚目の浴槽の写真の手前側に、
       エルボリステリーア・薬草専門店がありました。
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       エルボリステリーア・オルトゥス・ミラービリス、
       ERBORISTERIA ”HORTUS MIRABILIS
       こんな名前の入った薬草袋を手にしたら、
       それだけで、効き目がありそうな気がしません?



       こちらも北側。
       薬草園も、よくご覧いただけますね。
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       蛇足ですが、このバーニョ・ヴィニョーニという名前、
       直訳すると、ヴィニョーニの浴場 となりますか。
       (バーニョはイタリア語で、お風呂、トイレに当たります)
       


       北東側を。
       こんな風に、大浴槽の周囲を建物が取り囲みます。
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       日本人の温泉感覚からすると、
       この感じはまるでぴったり来ませんよね。
       どうやって、この浴槽に浸かったのだろう?
       まさか裸で、手ぬぐいを頭に、とまでは思いませんが、
       うむ、この青空の下では、まるで想像できません!
       泳ぐ方が、ぴったりしそうです。 



       周囲を取り囲む建物は、いずれもかなり古いですね。
       こちらは、北東部分を占めます。
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       上の建物の、入り口階段部分。
       ペチュニアの濃いピンクと、水色のベンチが鮮やか。
       古い壁が、なんとも良い味ですねぇ。
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       こちらは、南と西を眺めて。
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       四角い大浴槽のイメージが、お伝えできたでしょうか?
       今回は、どういう風にご案内したら良いのか、
       私自身とりとめなくて・・。 

       イタリアのどんな小さな町に行かれても、
       必ず中心広場があり、その周囲を行政関係のお役所等が
       取り囲み、そして教会と鐘楼がありますね。

       で、このローマ期から温泉で有名な
       このバーニョ・ビニョーニの町では、
       その広場の代わりに、大浴場があると。
       大浴槽が、町の活動の中心位置にあり、
       ついでに、まぁ、浴槽の隣に教会があると・・。

       はい、西側に見える、小さい四角い鐘楼が
       屋根の上に突出した、そっけない正面壁の建物が、
       サン ジョヴァンニ・バッティスタ教会。
   

       北側から見た南部分、ロッジャが見えます。
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       現在、この大浴場は使われておらず、
       温泉利用は、各ホテル内で、という感じですね。

       なぜ、この町にフラフラと行ったかと言いますと、
       以前TVのCMで、冬の夜の雪景色の中、この浴槽から
       もうもうと湯煙が立っているシーンがあり、
       何となく、日本の露天温泉を想像し、一度見たくて・・。

       まぁ、ロマン溢れる冬の雪の夜ならぬ、夏の青空の下では
       健康すぎて、趣味ではない、というか・・、ははは。

              

       上でご覧頂いた、屋根つきの廊下の様な部分、
       これは、ロッジャート・ディ・サンタ カテリーナ
       と呼びます。
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       このロッジャの脇から、浴槽の温泉水が小川のように
       流れ出しているのですが、
       町の中を流れつつ、施設や、温泉利用の製品工場に。
       かっては、水車を回し、灌漑作業にも利用されていたようですが、
       現在は、公園として整備された様子です。



       少し写真が小さいですが、  (ガイドブックより)
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       こちらが、上のロッジャに名を冠された
       シエナの聖女、イタリア、そしてヨーロッパの守護聖女
       サンタ カテリーナです。
       1347年シエナ生まれ、33歳の若さでローマで死去。
       が、単なる宗教生活にこもるというのではなく、
       対外的にも、政治的にも、大変積極的に働いたようです。

       シエナの染物業者の娘に生まれた彼女は、
       ここに何度か療養に来ていたそうで、
       (一説には、修道女になりたいという希望を捨てるようにと
        望んだ両親が、連れて来ていたとか)
       15世紀になってこのロッジャが作られ、
       彼女に奉納されたという事。

       シエナの彼女の生家跡には、現在聖堂がたてられ、
       見学もできますが、
       すぐ隣が、コントラーダのオーカ(家鴨)の集会所で、
       夏行きましたら、パリオの衣装の若者がぞろぞろいて、
       うふっ、と笑いが込み上げたのを覚えています。

       シエナのご案内は
       http://italiashio.exblog.jp/8296168

       シエナのパリオについては、こちらを。
       http://italiashio.exblog.jp/8335590
       http://italiashio.exblog.jp/8335422
       http://italiashio.exblog.jp/8363409
       http://italiashio.exblog.jp/6005331
       http://italiashio.exblog.jp/5728052
       http://italiashio.exblog.jp/5544938
       
       あきれるほど、載せていますね。
       こんなにお祭りが好きだったっけ?!



       ロッジャの柱にもたれ、休憩中の女性2人。
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       この温泉に通った有名人物としては、
       サンタ カテリーナの他に、ロレンツォ・デ・メディチ
       イル マニーフィコ と呼ばれたルネッサンスの大文化人、
       メディチ家の大人物ですね、

       そして、自分の生まれた町をルネッサンスの町、
       ピエンツァに造り変えたピオ2世 など。

       いずれにしても聖地ローマと、北の国をつなぐ中世からの巡礼道、
       ヴィア・フランチジェーナがすぐ傍を通っていたのですから、
       旅人にとっては、さぞや生き返る思いの温泉でしたでしょう。

       この温泉が記録に登場するのは、995年だそうですが、
       それ以前に、ローマの詩人たちの言葉があります。
        他には、このような場所は知らない、として、
        浴槽と温泉、柱廊の影の下の読書、散歩と好ましい会話・・、
       そして、もひとつ、
        適温の水に、ロバの乳とビアーダ(穀類の一種のようですが)
        を混ぜて使う、と。
       食べたのでしょうね?
       
       Marziale、Ovidio の名も知らず、検索をかけましたら、
       いずれもローマ期の、有名なラテン語詩人と出ました!!
       ええねん、イタリア人だって、
       額田王や、山上憶良なんて知っちゃいないよねぇ?!

       フィレンツェのご案内は
       http://italiashio.exblog.jp/5344172

       ピエンツァのご案内は
       http://italiashio.exblog.jp/9546668



       こちらが、ロッジャートを東から見た所。
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       真ん中左側レンガ部分、礼拝所ですが、
       ここも、聖カテリーナに由来する様子。

       この温泉水は、重炭酸塩、硫酸塩、カルシウム、炭素を含み、
       リューマチ、関節炎、神経痛、炎症に効果があるとの事。



       駐車場脇から、中心の大浴場にかけ、
       広々とした公園が広がります。
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       町の中をあちこちと、小川のように温泉が流れているそうで、
       そこでは、だれもが足をつけたり、出来るそうです。
       (気がつきませんでしたぁ)
      


       何軒かのお土産物屋のひとつ。
       並んで掛けられている陶器の図柄が、なかなか良くて。
       でも、日本の陶器の技を見慣れた目には・・ウム。
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       バールや、レストランも、大浴場の周囲に何軒か。
       いずれも、田舎にしては洒落ているようでもあり、
       逆にいかにも、古い湯治場のようでもあり・・。
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       濃いピンクのブーゲンビリアと、赤いゼラニウム。
       陽射しが強いので、目に沁みます。
       手前の石のベンチが、いかにも古げで。
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       古い井戸がありました。
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       道脇のバールのテラス席ですが、
       飲み物を運ぶ女性の白いパンタロン姿。
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       写真で見るよりも、ずっとはっきり見えたのです。
       何が? って、目を凝らして見て下さいな。



       広場の脇のシナの木が、花が済み、
       小さな実が膨らみかけていました。
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       風に揺れ、少しピンアマで失礼。



       見上げた丘の上。
       反対側の山の上には、古いお城跡もあるようです。
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       最後にまた、
       駐車場からのオルチャの谷の眺めを。
       糸杉の並びが、風情をそそります・・。
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by italiashiho2 | 2009-05-15 00:20 | ・トスカーナ Toscana | Comments(8)
Commented by ペッシェクルード at 2009-05-16 19:11 x
私はこの写真をみた時、すぐ思い浮かんだのは、かつて若い時に見た
よく分からなかった映画、ロシアのタルコフスキー監督の『ノスタルジア』
という伊語で創られた映画でした。映画でも写真のように広い温泉場が
現れます。イタリア人の温泉感覚の一端が分かったようなきがしました。
Commented by shinkai at 2009-05-17 00:27 x
★ペッシェクルードさま、 こんにちは! コメント有難うございます。

実は、サイトで検索をかけていた時に、ノスタルジア とか、映画の撮影 とかの
説明をチラチラと見たのですが、読まずに済ませていて、このコメントを拝見して
ああ、そうだったのか、と改めて、サイトをあれこれ読んで来ました。
有難うございます! またひとつ、知りました。
この映画も見ていないので、DVDが見つかったら買おうと思います。

温泉と言えば、しばらく前に、マストロイアンニの「黒い瞳」をDVDで見ましたが、
あれにも温泉が出てきて、やはり感覚が違うのと、
あの映画の彼は、やはり俳優としてもすごいなぁ、と思った事でした。
Commented by mariachiara at 2009-05-18 23:48
冬に訪れたので、こんなに美しい新緑は見られませんでしたが
温泉の水面からたちのぼる湯気がとても幻想的
また夜の風景も神秘的でした。

雨宿り入ったこの温泉前のホテルのバールの奥さんが
それは気さくで、メニューにないものもささっと用意してくれ
雨宿りの30分ばかりの間、他愛のない話をして過ごしたのが
心に残っています。
Commented by shinkai at 2009-05-19 04:28 x
★mariachiaraさん、こんにちは! コメント有難うございます。

そうですか、冬の湯けむりを見られたのですか? それは素敵だった事でしょう! 
うらやましい!!  夜の景色も、素敵でしょうね。
こちらのサイトで、夜の景色を載せているのを見つけたのですが、
記事にアップしたら、リンクしないので、あきらめて消しましたのですよ。

バールの奥さんのお話も、いかにもイタリアらしいですね。
個人の素顔が、まだまだ生きていますよね。 
旅の良い思い出が残るのは、こういうお話ですものね。
Commented by みしょこ at 2011-04-03 09:04 x
初めまして。タルコフスキーの温泉を調べていて、こちらにたどり着きました。実はここへ行こうと思っています。お写真とてもステキで、ますます行きたくなりました。足湯にもつかってこようと思います。
Commented by italiashiho2 at 2011-04-03 17:44
★みしょこさん、初めましてこんにちは! ブログご訪問、コメント有難うございます。

そうでしたか、私自身はタルコフスキーの映画はこれを書いた事でDVDを送って頂く事が出来、見ましたが、上手く温泉を使っているなぁと思った事でした。

あの映画の最初に「出産のマドンナ」が出て来ますが、あれは実はここからはかなり遠いモンテルキという小さな町にあります。
この絵についてはhttp://italiashio.exblog.jp/12569796 に載せていますので、よろしかったらどうぞ。

良いご旅行を!
Commented by BB at 2012-07-06 14:43 x
ほんと、プールの様な温泉ですね。
時々思うのですが、イタリアに住んでいますと、
日本のお風呂に入りたい==!と思われませんか?
Commented by italiashiho2 at 2012-07-06 17:26
★BBさん、凄いでしょう? こんな所でどんな顔して温泉につかるのか、という日本人的感覚の疑問が浮かびませんか?!

いや、家にバスタブがあるのでお風呂や温泉は恋しくはないのですけど、恋しいのは日本食!!!
とはいえ、日頃お腹いっぱい食べていますから、いつもそう思っているわけではないのですけど、やはりねぇ、日本食が食べたいです。 ラーメン、お寿司、サンマの塩焼き、サバの味噌煮、ウナギ、肝吸い、鱧の皮のキュウリもみ、絹ごしの冷ややっこ、豆腐の揚げだし、おでん、カツオのたたき、お刺身、天麩羅、関西風のおうどん、天丼、あああぁぁ・・!!


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