2009年 07月 04日

   ・・・ サンタンティモ修道院 ・ Abbazia di Sant'Antimo ・・・

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      今日のご案内は、中世初期からの由緒ある大修道院、
      サンタンティモ修道院・Sant'Antimo です。
      1200年ほどの歴史を持ちますが、修復復興を経た現在、
      単なる観光史跡ではなく、精神的な安らぎを求める人々や
      若い人達も多く訪れる、素晴らしい修道院となっています。
 
      ちょうど シエナのパリオ と重なりましたので、
      本日は、2本立て!
      パリオの記事は、最後の「次のページへ」をクリック願います。

       地図は先回の、カステリオーネ・ドルチャに。
      
       サンタンティモ修道院に行くには、まずこの町
       カステルヌオーヴォ・デル・アバーテ
       Castelnuovo dell'Abate まで。
       町は、モンタルチーノの南約9kの位置にあり、
       バスの便が一日数回あります。
       町から修道院までは、1kほどでしょうか。

       この写真は、修道院側から写したもので、
       今回調べましたら、この小さな町にも見所が。
       ローマ期からの移殖があり、修道院の発展とともに
       町も繁栄した歴史を持つようです。


       カステルヌオーヴォ・デル・アバーテの町は、
       海抜385m。
       町の入り口で、サンタンティモ修道院への道が別れ
       少し下り坂を行くと、こういう風に見えて来ます。
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       やはり大変に美しい姿!
       ああ、来て良かったぁ! という感慨は
       中世の巡礼たちと、大差が無いのではないかと・・。



       駐車場の脇にあった、
       内部の様子も見える俯瞰図とでも。
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       現在残っているのは、この教会部分と翼部分
       真ん中部分は、かっての中庭回廊部分で井戸があり、
       中庭を取り囲むように、以前は建物群、
       巡礼のための病院、宿泊所、倉庫などがあり、
       その基石部分が残っている様子。

       現在は、中庭をはさんだ位置に
       食堂の建物が残ります。



       これは教会の正面、つまり西側の
       庭園のオリーヴの樹
       凄いでしょう?
       千年ほどを経ているとか!
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       こちらが正面入り口。
       肉眼では奥まで見通せ、ピッと心が引き締まる
       それは素晴らしい第一印象です。
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       が、カメラではこの位置から
       この明暗の差では、無理。(腕かな?)
       おまけに、正面壁全部が修復のため
       覆われていて、内部撮影も禁止。

       買って戻りました絵葉書と
       ガイドブックの写真で、ご案内を



       入り口左脇の上部
       真ん中の、可愛いお尻は兎ちゃんで、
       その右は、ライオンかな?
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       右脇部分には、いかにも中世の
       怪奇的な顔があり、嬉しくて!
       同じ顔を、サン クイリコ・ドルチャ
       サンタ マリーア・アッスンタ教会入り口でも
       見ましたっけ。

       サン クイリコ・ドルチャ
       http://italiashio.exblog.jp/9573061



       こちらは、入り口の左脇円柱の上
       覆われてはいるのですが、
       訪れる人々に気を使ってか
       こうして透けて見えます!
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       こちらがアップですが、   ガイドブックより
       皆さん、何の動物と思われますか?
       犬 と思い込んでいたのですが・・、
       手というか、足というか、
       かなり頑丈そうですねぇ。
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       それにしても、この融通無碍なる発想!!



       この扉は、教会の中庭に面した部分にある    ガイドブックより
       10世紀のものと。
       (見てない! 修復が済んだ頃に出直しだぁ!)
       ロンゴバルドの柄、ですね。
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       教会内で売っていた、当修道院発行の
       ガイドブックを買って戻りましたが、
       通常の解説とは少し違う、修道院設立の由来などが。

       一般には、シャルル・マーニュ(カール大帝)が
       創設した、と書いてあります。
       彼は確かに、修道院発展の元とはなった様子ですが、

       それ以前にロンゴバルドの王が、
       770年頃べネデット派の修道僧に、
       以前からあった聖アンティモの礼拝堂の場所に
       修道院建設を許し、この近辺の領土管理も任せた様子。

       実際ロンゴバルドの王たちは、
       修道院をローマへの巡礼、また自身の使者用の
       休憩、食事、宿として利用し、
       約30k毎に、新しく建設もした様子。

       で、このロンゴバルドの柄の影響が
       残っているのが納得。


       ロンゴバルド・Longobardo についても、
       カール大帝についても、わずかな知識のみで
       ご案内のために、泥縄で必死にお勉強を! ははは。

       で、要約して 修道院の成り立ちと変遷を

       で、ロンゴバルド族はカール大帝に滅ぼされますが、
       (自分の舅だったとか! 日本の講談みたい!!)

       彼は781年 ローマからの戻りに、
       この近くで連隊もろともペストに襲われたのを、
       この修道院で平癒を願い、叶ったのを感謝して
       このサンタンティモ修道院を建設、
       と言うのが通説です。

       逸話の真偽はともかく、    ガイドブックより
       建設中であった修道院に立ち寄り、
       印形を与えた様子。
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       で、この写真のサインは、カール大帝の後継息子
       ルドヴィーコ・イル・ピオ・Ludvico il Pio が
       814年12月29日
       修道院に、特権と恩恵を与えた公文書のサイン
       だそうです。

       これで、皇帝の修道院というお墨付きとなり
       以後、修道院は繁栄の道をたどったという経過。

       ロンゴバルドの北の首都であった、チヴィダーレのご案内は
       http://italiashio.exblog.jp/5530326
       http://italiashio.exblog.jp/5530516



       内部は、細身の一廊、高さ20m。  絵葉書
       入り口から最初に一瞥した時、
       引き締まる思いに打たれた、射し込む光
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       木彫彩色の十字架像も、無名作家とはいえ
       荘厳なイメージを伝え、傑作と思います。
       
       修道院の繁栄は、12世紀に頂点に達し、
       所有し管理するするものが
       96の城、土地、85の修道院、教会に及んだと。
       
       そしてやはり12世紀に、
       一伯爵の莫大な遺産寄贈により
       現在のこの大きさの教会に、改修されます。

       後陣部分が、2重になっているのにご注目を。


       上でご説明の、後陣部分。  絵葉書

       12世紀の大改修以前のものは、
       現在の内陣の幅で、長さも短かった様子。

       つまりこの写真でご覧頂くように、
       最初の教会の外側に、一回り大きな
       教会が出来上がった事になります。
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       そして、この後陣部分の膨らんだ部分、
       これは、巡礼たちの拝礼のための
       巡回通路とされたのですね。

       こういう形は、当時の巡礼の道筋
       スペインの、サンチャゴ・デ・コンポステーラ
       などに見られる独特な形で、
       トスカーナでは唯一
       イタリア内でも、大変珍しい形だそう。

       この写真でも見えるように、
       光の入り方が独特で、
       素直に、神秘的感情に打たれます。
       当時の、教会建築の棟梁たちの技術に感嘆!

       イギリスのカンタベリーから、ローマへの大巡礼道、
       一大通商街道でもあった ヴィア・フランチージェナ
       から、この修道院は少し外れていますが、
       それでも、巡礼たちにとっては
       大目標の、大修道院であった事でしょう

       内部のすべての円柱の柱頭には、
       中世を髣髴とさせる、神話的な動物像や
       植物柄が、密に彫り込まれています。

       ヴィア・フランチージェナについては
       http://italiashio.exblog.jp/9599110      



       多分、地下のクリプタと思いますが、   ガイドブック
       身廊の階上にある、婦人用の参拝回廊(かっての!)
       と共に、一般公開はないとの事。
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       目を引いたのは、この頭巾。
       ウンブリアのノルチャに行った時、
       べネデット派の黒頭巾姿を始めてみて
       いささかギョッとした思い出が!

       ガイドブックには、白だけでなく黒頭巾の写真もあり、
       現在の修道院が何派に属するのか、調べまわりました。
       キリスト教の素養もないので、確言できませんが、
       べネデット派の流れも汲む、聖アゴスティーノの教えを
       基礎として守る会派のようです。

       聖べネデットの生地でもある ノルチャ
       http://italiashio.exblog.jp/5405447



       グレゴリオ聖歌は、既に5~7世紀には、   ガイドブック
       ミサのメロディとして歌われていて、
       8世紀には、ほぼヨーロッパ中の教会で!
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       この修道院でも、常にラテン語で歌われ、
       (実際に聞くと、鳥肌が立つほど素晴らしいと!)
       何度も録音収録されているとの事。
       売店で買えるそうですが、気が付かなかった!



       中庭をはさみ、教会に向かい合う建物。
       かっての食堂ですが、
       現在は、修道士たちの住居、食堂の様子。
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       12世紀に繁栄の頂点を迎えた修道院ですが、
       13世紀には、モンタルチーノ、シエナの権力に屈し、
       かっての5分の一程の所有領となり、
       15世紀には、かのピエンツァの司教領下に。

       寂れたまま放置され、19世紀の半ばには
       この修道院には小作人が住み着き、中庭には家畜が、
       地下のクリプタは、カンティーナ・ワイン倉代わり、
       教会内には農具が収納されていたとか!

       この時期に至り漸くに修復が始まり
       1970年代には、ゼッフィレッリの映画
       聖フランチェスコを描いた
       「ブラザー・サン・シスター・ムーン」の
       幾つかのシーンもここで撮影されたそう。
      
       修復が始まって100年後
       1989年フランス人神父3人
       新しい共同体の下、ここでの生活、活動を始め  
       現在に至るとか。
       朝の5時15分起床に始まり、一日に何回ものミサ
       という完璧な修道士の生活が営まれ
       今は8人の修道士がおられるとか。

       修道院生活については、ルネッサンスのセレブたち
       サン・べネデット修道院に cucciolaさんが詳細に。
       http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/archives/764907.html

       かっての、べネデット派の修道院が如何に大きく、
       勢力を持っていたか、こちらにも
       http://italiashio.exblog.jp/8863191

       リンクしています イタリア黒猫日記 の Ayumiさんの所でも
       カマルドリ派修道院のAntica Farmacia についての記載が
       http://blog.belladonna-it.com/?eid=348968

 

       4世紀に、最初にここに聖人の礼拝所が出来た時、
       近くにローマ期のヴィッラがあり、
       このコルヌコピア・豊穣の角 の彫刻は
       そこから移された物だろうとの事で、
       現在、教会の外壁に。
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       教会側の外壁には、いろいろな動物が
       これは、馬かな?
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       鐘楼も、最初は教会から離れていたのが、
       大増設の際に、教会外壁に食い込む形に。
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       鐘楼の壁にある、これは何でしょうか?
       人間の顔、角、翼、そして尻尾が割れています。
       ご存知の方、お教えを!



       後陣部分から、放射線状に3つの礼拝堂が
       半球状に突出する形でありますが、
       外壁には、軒にこうしていろいろな柄と
       動物たちが。
       これは、雄牛ですねぇ。
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       こういうのに出会うと、もう嬉しくて!
       長~い舌を出して、あっかんべぇ。 ははは。
       中世に於いては
       動物と人間の距離が大変近かったような!
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       鐘楼の壁の、聖母子
       玉座に座り、聖人も天使もいますが、
       なんとも素朴です。
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       この修道院では、青年のスカウト活動も援助し、  ガイドブック
       子供や家族への精神的な支え、手引きにも
       積極的に活動しているとの事。
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       教会は、朝の6時から21時まで開き、
       拝観は無料。



       教会の正面を
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       サンタンティモ修道院のサイト
       http://www.antimo.it

       モンタルチーノからのバスの時間
       7:10  13:45  14:45    
       戻りは 14:25  16:55
       
       ただし、日曜日、祭日の運行は無し
       連絡は Peschiera 0564-97778

       思うに、何人かご一緒でしたら、
       サン クイリコ またはモンタルチーノから
       タクシーが便利だと思います。

     ★ 追記 ★
 
       バス連絡についてですが、2017年春に調べた時は、
       まるで見つかりませんでしたので、
       上記の時刻表を鵜呑みにしないで下さるよう、お願い致します。




       上の写真に見える、背後の葡萄畑を
       緑色でどうぞ!
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       サンアンティモ修道院のご紹介は、   
       実は少しためらって居りました。
       地味すぎて、皆さん退屈されないかなぁと。

       ただ、歴史ある素晴らしい修道院ですので
       単に美しさのご紹介だけでなく、
       頑張って、きちっとした物を、と。

       更に、修復に長い年月をかけながらも
       生かして、保存維持して行こうとする
       イタリアの、人、国の姿勢も示していると思ったのです。
       上手くお伝えできましたように願います。
       
       まぁ、難しい事はともかく、お近くに行かれたら
       実際に、中世からの空気を感じに
       是非お寄りになって下さいね。
       後悔されない事、請け合います!!

     ◆*◆*◆

       ブログご訪問、いつも有難うございます!

       6月の訪問者数は、ブログを始めて以来の
       新記録となりました!
       お礼申し上げます!!

       地味な田舎周りで、可笑しい話も少ないものの、
       それでも応援して頂けて嬉しく、
       頑張っています。

       シエナのパリオ TV実況 と本日は2本立てです。
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       今回も文字数が多くなり、これで失礼をば。

       
      
 


by italiashiho2 | 2009-07-04 02:53 | ・トスカーナ Toscana | Comments(4)
Commented by cucciola at 2009-07-04 06:10 x
shinkaiさま、
こんにちは。
今回の修道院はまた大変美しいですね。特に柱の装飾!わたし、これの大ファンなんですよ。ユーモアがあってかわいくて、これだから中世はやめられない、という感じです。
それにしても中世の修道院は一度さびれると物置にされちゃうのが運命なんですね。
ノルチャとヴィア・フレンチジェーナも拝見しました。記事がかぶると本当にうれしですね。私もモンテリッジョーニについて書いたことがあるのでこれまた感動。私の記事の中でも紹介させていただきます。

ありがとうございました。
Commented by izumimirun at 2009-07-04 06:10
はじめまして!
お声をかけて下さって嬉しいです。
本当にありがとうございます。
リンクもとっても光栄です。
私の方からもリンク張らせていただきたいのですが、容量を超えてしまってて……。
別ページでのご紹介になるのですが、差し支えなければどこに入れさせていただけばいいか、お知らせくださいね。
http://izumimirun.exblog.jp/7326379/
Commented by shinkai at 2009-07-04 06:31 x
★cucciolaさま、 こんにちは! コメント有難うございます。

はい、ガイドブックで写真を最初に見た時に、大変美しいと思って訪ねようと計画したのですが、実際に行って見て、今回もまたいろいろ調べると、大変に奥が深くて・・。
よくぞ修復して、また修道士たちが生活を始めてくれたもの、と感謝する気持ちですね。 日本のように、観光資本のみにならないのが、素晴らしいと思います。

そうなんです、私もあの手の装飾がもう大好きで!! なんとも、おどろおどろしく、そして可愛い、という。 ははは。

はい、有難うございます。 そういえば、まだそちらのモンテリッジョーニを
拝見してなかったです。 明日にでも。

Commented by shinkai at 2009-07-04 06:38 x
★Izumiさま、始めまして、こんにちは! ご訪問有難うございます。

そうなのです、しばらく前からいろいろヒントを頂いて、美味しく楽に頂いています。
野菜好きで、手早く食べたい私には、なんとも嬉しいレシピの満載で!!

有難うございます。 相互リンクいただけるのは、とても嬉しいです。 よろしくお願いいたします。
そちらのブログは、この一つ前の記事の「シエナのパリオ」で、皆さんにご紹介させていただきましたが、もう既にご存知の方が多いのではないかと・・!


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