イタリア・絵に描ける珠玉の町・村 ・ そしてもろもろ!

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2006年 08月 01日

   ・・・ シエナのパリオ ・ Il Palio di Siena ・・・

     フィレンツェの南、急行バスで1時間の距離にあるシエナの街。
     ここはフィレンツェを京都に例えると、奈良に当る感じの古都ですが、
     今日は、毎夏行われる パリオ と呼ばれる競馬をご紹介いたします。

     パリオ
     毎年、7月2日と8月16日に、シエナで パリオの競馬 が行われる。
     この日、街は熱狂と情熱のなか、中世の色彩と精神におおわれる
     パリオは、カンポ広場で行われ、まず時代衣装の行進から始まるが
     街の17の地区の、民衆の地区長、指揮者、侍者、旗手、など
     これは、まさに言葉で表現出来ないほどの色の幻覚でもある
     そして、競馬が始まるが、これは鞍なしの馬である
     籤で決められた騎手たちは、10の地区のそれぞれの 色 をつけ
     マリアの描かれた絹の旗 パリオ を得るために、争う

     写真はすべて絵葉書と、パンフレットからです。

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      ◆シエナのカンポ広場

       シエナの街の中心に、この広場があります。 
       塔は、マンジャの塔で、その足元にある建物が
       市役所で、市の博物・美術館でもあるコムーネ宮

       広場はちょうど貝殻の形で広がり、この周囲で
       競馬が行われ、内側は人で埋まります。
       
       この競馬が難しいのは、広場は平坦でなく、
       広場に放射線状に広がる線が見えますが、
       ちょうど扇の要に当たる部分が一番低く、
       反対側の高い部分に向かって、
       左右とも傾斜しているからなのです。  

       特にマンジャの塔の下に見える、小さな礼拝堂にちなみ、
       サン・マルティーノのカーヴ と呼ばれる、
       写真の一番左側に当るカーヴ、
       ここと、反対側右上のカーヴが一番の難所で、
       騎手の落馬、馬の転倒が頻繁です。




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      ◆街の17地区の紋章

       現在シエナの街に残る コントラーダ・地区 と呼ばれるのは、
       17ですが、かっては23あったようです。
       この17地区が予選をし、10の地区が決戦に出場します。

       上の左から右へ、
       1・アクイラ・鷲  2・キオッチョラ・カタツムリ
       3・チヴェッタ・梟  4・オンダ・波  5・パンテーラ・豹  
       6・セルヴァ・(犀)・林  7・レオコルノ・一角獣 8・タルトゥーカ・亀  
       
       9・ニッキオ・貝  10・トッレ・塔  11・ルーパ・雌狼  
       12・ブルーコ・青虫  13・ドゥラーゴ・龍
       14・ジラッファ・キリン  15・イストゥリチェ・針鼠  
       16・オーカ・家鴨  17・ヴァルディモントーネ・カモシカ

       殆どが、動物の名を名乗っているのが面白いです。  
       名前が速さを現すわけではなく、
       ブルーコ・青虫 も、オーカ・家鴨 も優勝した事があります!




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      ◆ズバンディエラータ

       まず時代衣装の行進から始まりますが、これは広場だけでなく、
       街を一周した後、カンポ広場に入ってきます。  

       この 旗振りの競技は、それぞれの地区の色と、
       紋章の柄とをデザインした、衣装と旗で行われます。
       地区ごとに、ゆるゆると行進しながら、
       旗を振り、それが17地区分!!  
       中世のスピードで、何事も進みます!!




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      ◆パリオ の入場 

       これが時代衣装の行進の最後、白い雄牛に惹かれた
       牛車の上に掲げられた パリオです。  
       毎回、図柄は、違う画家が描いています。

       この白い雄牛は本当に美しく見事で、
       日本でも平安の昔にあったという牛車とは、
       このような物だったかと、想像させられます。




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      ◆スタートです

       競馬の馬、そして騎手は籤で決められ、 
       その地区の馬、騎手ではありません。
       そしてスタート位置の場所順も籤で、
       こちらは、いよいよ馬と騎手が登場してから
       決まり、場内に放送されます。  

       これで、半ば運が決まるようなものですから、
       一番内のコースから、どこそこ、と放送される毎に、
       喜びと、嘆きの声があがります!

       ロープ(カーナパと呼ばれます)が2本張られ、
       その内側に、順に馬が入ります。
       そして最後の馬が、駆け込むと同時に
       前のロープが落とされ、走り出します!

       馬は鞍無しの裸馬で、ムチに変わる物として、
       雄牛の神経を干した物、が使われます。




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      ◆スタート直後の転倒落馬

       9頭の馬がまず、順に名を呼ばれて、ロープの内に入りますが、
       この時すでに、いろいろな駆け引きが始まり、
       馬は苛立ち、順番が守られなくなり、外に出て、
       再度スタート地点に入りなおす、等は
       何時も、何度も繰り返されます!

       10番目の馬が入らないとスタートできませんから、
       何度も繰り返されるうちに、騎手同士の言い争い、
       また馬が汗をかきすぎると、拭き取るのに騎手が
       降りなくてはならず、
       こうしてスタートも、中世のスピードで!!




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      ◆広場の上側、長辺部分

       この辺りが一番高い部分で、これから一番の難所
       サン・マルティーノのカーヴ です。

       広場の中も人で埋まり、周囲を囲んで桟敷が設けられ、
       ここもいっぱいの人、人、人!

       建物の窓にはお祭りの飾り布がかかり、
       この人々の大熱狂の中で、パリオが行われます。




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      ◆サン・マルティーノのカーヴ

       このカーヴは、下り坂で走って来たうえに
       ほぼ90度のカーヴです!
       白いクッションマットが、一面に張られているのが
       見えますが、曲がりきれずに激突して、
       騎手の落馬が一番多い地点です。

       馬は、それぞれの地区の、色のリボンを額に
       つけていますから、騎手が落ちても走って行き、
       着順はそのまま認められます。

       私は実際に2度見ましたが、'89の夏7月の時は、
       1位2位とも、無騎手の馬でした!!




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      ◆3周目

       競馬はこのカンポ広場を、3周します。
       この地点は、マンジャの塔から見て、広場の左上の角。
       このすぐ下がスタート地点であり、終着地点です。

       広場は、煉瓦と石敷きですが、
       この競馬の為に、土が入れられています。




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      ◆勝った!!  うれし泣き!

       パリオの行われる前夜は、各地区で長いテーブルが用意され、
       人々が一杯やりながら、騎手を囲み、景気づけをします!

       そして当日は、特別にヴァティカンの許可で、
       教会の中に馬が連れられて入リ、
       勝ちて帰れ! と祝福を受け、送られます。

       勝った地区の人々は、その興奮と熱狂のまま、
       ドゥオモに向かい、感謝の祈りを捧げるのです!!

       この夜は、カンポ広場のあちこちに篝火がたかれ、
       遅くまで、パリオの熱狂と
       シエナの中世の夜 が続くのです。

     **

      イタリアのお祭りはたくさんあり、そのどれもが
      その土地の歴史と熱狂、郷土愛に溢れていますが、
      このシエナのパリオは、まさにその熱狂度において、
      そしてそのスピード感と、盛り上がりにおいて
      群を抜いています!  

      RAIのTV中継が、毎年必ず行われるのは、
      このシエナのパリオと、ヴェネツィアのレガータ・ストリカのみで、
      盛り上がりは、もうこのパリオに勝る物はありません!!

      こうして書いても、果たしてその面白さが
      お伝え出来たかどうか、良く分りませんが、
      チャンスがありましたら、是非ご覧頂きたいと思います。
      桟敷の席は、日本からでも予約出来ると思いますし、
      カンポ広場内は、無料です!!

      ◆次回の パリオの実況編 をお楽しみに!

by italiashiho2 | 2006-08-01 00:08 | ・トスカーナ州 | Comments(2)
Commented by どらやきひめ at 2007-07-08 09:04 x
うう~ん!!!すごいっ!興奮と熱狂が伝わります。衣装も色もほんとに素晴らしいですね。中世がそのままって感じでイタリアってすごいですね!
Commented by shinkai at 2007-07-08 20:02 x
★どらやきひめさん、 こんにちは!  コメント有難うございます。

すごいでしょう?!  本当に興奮と熱狂です。  衣装は、夏の暑い時なのに、この手の衣装は全てビロードなのですよ。  多分、色も綺麗だし、長持ちするのでしょうね。  だから、見るほうとしては、暑いのにご苦労さん、と尚のこと思いますが、本人達には関係ないのかもしれません
!   聞く所によると、このシエナの衣装は、フランスに注文するのだとか。  


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